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めきめきと力をつけてきた東京大学相撲部。最近の様子は?
始めたのが2月の終わりくらいだったから、9カ月経つのかな。
近ごろ、練習はどう?
神奈川の方から遠距離通学をしている子なんで、朝、遠くて大変だからきれいにしてここに寝泊まりできるようにしたいんじゃないかなあ。
きれいになってスペースができてきたから、これまで洗濯物干し代わりになっていたパワーラック(筋トレ器具)が使えるようになって。
昨日は斜め懸垂をしました。
器具が限られているで、ウェイトバッグ(おもりのはいったリュック)を背負ってすり足。
そしてジャンピングスクワット。くたくたになっていましたね。
あーそういえば留年決まって四股名を変えたんだったか。二浪丸から逸ノ龍(いちのりゅう)に。
飛び跳ねて追い込むやつ。教わった時に大変だったの覚えている。
柔道は柔道着を着ている分、袖とか襟とかあるんで、つかめるところが多いのは違いかな。
例えば、「釣手をどうするか?」とか。
これは柔道でいう引き手。相撲でいうところの、相手のまわしを持つ手なんですけれど。
それは左右どっちの手でもいいの?
「相撲のままでいくか?柔道のままでいくか?」っていう。
結論は、やっぱりどっちでも。両方に対応できなきゃだめだってなって。ははは。
肩幅がすごいです。長野の巨神兵。
きのう、彼には「巻き返し」という技術を教えました。
相手の腕が自分のわきの下に入ってきた時に切り返して、逆に相手のわきの下に腕を滑り込ませる技なんですけれど。
まわしの「下手」をとりあっている状態ですね。
ちなみにレスリングだと、わきの下に入れられると致命的で。相撲だったらまだ「上手」ということでなんとかなります。
やり方を伝える時には「これは、クロールと同じだよって。自分の脇になにか触れたと思ったら、クロールするんだよ。」って。
これが巻き返し。
取り入れられるところを研究したりするのが楽しいですね。
あと普段から意識して考えているのは、新しい技(決まり手)を生み出すことかなあ。
まあ、こういうのは格闘技の世界では、日進月歩。
当たり前なんですけれどね。
相撲だけです。何百年も技が変わってないんですよね。
逆になくなっている技の方が多いんじゃないですかね。
格闘技だったら20年前のチャンピオンだった人が、今だともう、普通の選手に勝てない。
相撲の場合は同じですから。
たぶん、100年前に戻っても身体が大型化したくらいで進歩していないんじゃないかなあ。
大番狂わせ!日本大学相撲部や東京農業大学相撲部からの金星
この間は、学生相撲界で今年日本一の日大(日本大学相撲部)に、先鋒(せんぽう)の二浪丸が勝ちました。
大将も善戦をしていて惜しかったです。
じゃあ大金星だったんだ。
普段、レギュラーじゃないのであまり試合に出る機会のない選手たちが出る大会だったんですけれど、それでもすごいことですね。
あった、見てください。これです。
こっちは勝利です。二浪丸と大将のふたりが勝ったんで。
ここも時々優勝するクラスの強豪校です。
とにかく東大の場合、ほとんどの部員は大学に入って相撲を始めたばかり。
1、2年の経験しかないのに。これはすごい。
相手は私立だし。朝練やらなんやら週5、6回は稽古をやっているはず。
そこに週3回の練習(月・水・土)で勝っちゃったもんだから。相手も嫌だっただろうな。
だんだん練習の成果がでてきてます。
初心者から思わぬ伏兵に。勝ち星をあげる秘訣は今までやってきたスポーツ経験を活かすこと
これってなにが効いているんだと思う?
やっぱり、工夫と筋トレ。
それとみんな楽しくやっていることでしょうね。
工夫をしているところは、例えば、今まで何のスポーツをやってきたか。それをよく見ることかなあ。
相手にわかるように伝えるのってむずかしいことだろうなあ。
昔からやっていた経験があれば「そこでバーっといくんだっ!」とかでもなんとなくわかるけれど。
新田先生(東京大学法学部教授で相撲部長の新田一郎さん)が言っていたな。
野球やっていたやつなんかいいな。「出し投げ」の説明をするとき、「ゲッツーだよゲッツー。出し投げの手だよ。わかるだろ」って。
ラグビーやっていたのには「足取り」だな。
やっぱり、低空でタックル。
イメージしてもらいやすいように、練習の時は相手との間にわざとすこし空間をつくってやって。ボールがない状態に。
試合での立ち合いはあえて距離をもたせた。
真正面からぶつからずラグビー特有のステップを踏んで、相手が混乱したところを足取りで一気に倒す。これははまったな。
※11分40秒あたりから大きく間合いを取ってステップで翻弄させる立ち合い(国学院大学の相撲部員)
ラグビーもコンタクトスポーツなんで。瞬発力もすごいし。
このくらいのフィジカルがあるといいですね。
総合格闘技界での学び。稽古の仕方の近代化とルールや判定へのメス入れが相撲界にも必要だ
選手や関係者を間近に見ていて、なにか気づいたことってあったかな?
相撲の場合、つねに全力でが基本になっているので。
相撲の稽古では、剣道や柔道みたいに「打ち込み」がない。
例えば、ひとつの技をスローで分解して教えるのなんていいかも。3つくらいに分割して。
柔道のように。「繰り返し打ち込みをする」「まわしを帯に見立てて投げる」とか。
いわゆるこれは、神経系のトレーニングですよね。「そのうち癖になるよー」ってなくらいで。
この間から「内掛け」っていうのを3分割にして練習しています。
数でもない。分解して正しい形を最初に体で覚えること。
漢字練習と同じで、最初にまちがえたまま覚えちゃったら、何万回書いてもまちがえた字になっちゃう。
今、頭の中に縄跳びが浮かんできた。
慣れたら2重跳びも勝手にできる。
ミノワマンみたいに特訓していたことがあるからわかるんだ。

左は鉄砲、右は大砲。あれはなんだったけな…
あの表現もわかりやすくてよかったんだけれど。
突っ張りは打撃のイメージで。押し出すというより、崩すための技として。
それと、新しい技を学ぶ時には、その技をかけられる側の気持ちがわかることも大事じゃないかなあって。
「かける側」「かけられる側」を交代しながら練習するのもいい。
「現在、格闘技のルールは海外のもの(先進国:例、アメリカ)が基準になっていて、それを取り入れ模倣することで回っている。けれども全部が全部それが正しいっていうわけじゃあないと思う。日本式の基準ができたっていい。」って。
「選手はみな、死にもの狂いで練習を積んできている。一つ一つの試合に生活が、人生がかかっている。レフリーは常に平等でなければならないね。」って。
これはレフリーだけでなく、パーソナルトレーナー(格闘家たちの身体づくり)もしている和田さんだからわかること。
あーRIZIN(ライジン)だけでなく、こっちもちょっと学びにいかないとな。
「相撲のルールや判定」にも似かよったところがありますから。

【今後の課題】勝利の女神を呼び込むために。筋トレの重要性

まあ頑張っているんだけれど、もうちょっと意欲が欲しいかな…
自分の場合筋トレマニアだから。押し付けになっちゃわないように気を付けていきたいです。
パワーリフティングの大会に参加するとか。なにか目標がないとつづけづらいところはあるだろうなあ。
地味にきついし。筋トレの良さを伝えるってむづかしいですね色んな人に。
まだ筋トレが、いまいち浸透していないところがもったいないなあーって感じます。
筋トレのメリットはとにかく健康的に体重を増やすことができること。
筋肉がつくことでケガの予防にもなる。そして力がつくし、体が丈夫に健康になる。
あとは、とにかく一人でできるっていうことですね。
ここは、学生にとってはいいと思うんだけれどな。
相手がいないとできないっていうのはけっこう大変。
身体がかわってかっこよくなっていくっていうのは二の次。そうすぐには目に見えて変わらないから。
長時間かからないのもいいところ。30分もあればしっかり追い込める。

低空相撲。相手の膝くらいの高さ。
低いっていうのはまわしもとられにくくなるので。
みんな正直すぎるんですよね。
相撲だって、これが外国人選手だったらなんでもやってくる。
顔だけこっちを向けといて、横向きで始めるのとか。
やっぱ重量は筋肉で増やす。それしかないんでしょうね。
効率よく増やすこと。そのための食事についても伝えていきたいです。
相撲をとったことがない者の視点から。まあ、おれもないけれど。
東大相撲部で大ちゃんが指導していることのイメージ、沸いてくるかな?
そうだ、最近日本に帰化したお相撲さん。モンゴルの人で、なんだったかな名前?
白鵬(はくほう)か、そうだ白鵬。
白鵬の脚の筋肉がすごいんだよ。それにね、お腹もね、出っ張ってはいるんだけれど1部割れているんだよ。
今度ね、息子(中学1年生)を東大相撲部に連れて行って稽古をつけてもらおうと思っているんだけれど「裸になりたくない」「お相撲さんの恰好をしたくない」っていうんだ。
そうしたらね、「あんたいつも真っ裸で家ん中歩いているんじゃない!」って。まりこ(わたしの母)に言われていたんだよ。ははは。

だって、あやつのお尻はぷりっぷりしているんだもん。ははははは。

胃腸の丈夫そうな匂いがプンプンする。
